株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブでは、平成23年4月27日に定時株主総会を開催し、第5期(平成22年2月1日から平成23年1月31日まで)の事業報告、決算書類報告を行ないました。つきましては、ファジアーノ岡山の経営状況について、ご報告いたします。
1. 経営成績に関する分析
主催試合数が大幅に減った(25試合→18試合)ものの、1試合あたりの入場者数、入場料収入は増加となりました。株式会社として5期目の決算を迎えますが、広告料収入、グッズ収入も堅調で、多くのファンの皆さまにお支えいただけていることを実感する1年でございました。
一方、費用面では、クラブ内での経費削減の徹底を図り、スタジアム設営費、警備費などの試合運営経費や商品の物流経費など、一般管理費も含め鋭意節減を推進しました。チーム運営費に関しては、3年計画の初年度ということで、将来性のある若手選手中心に補強する年との位置づけのもと、積極的な戦力補強を行いました。また、年間収入10億円の目標達成のためには、地域をきめ細かくまわる営業部隊の充実が必須と考え、フロント人員も予定より増員しました。さらに念願のオフィシャルショップ「ファジスクエア」をオープン致しました。
クラブとして3年ぶりの赤字決算となったことについては、非常に残念ではありますが、市民クラブにおいて収支帳尻を毎年合わせることの難しさを考えると、単年度の収支に執着せず、長期的な視点に基づくクラブ経営に主眼をおきたいと考えています。単年度で収支を合わせることの難しさは、費用が決まった時点で確定収入がゼロであること、選手獲得の投資年度と選手の移籍金が入る回収年度が異なること等が理由としてあげられます。歴史の浅い当クラブでは、現在319社全てのスポンサーが単年度契約であり、前年度シーズン終了時点から来期の営業に入ります。また、入場料収入、グッズ収入、リーグ配分金は前年度シーズン終了時点では殆ど確定しておりません。資本金の範囲内で、できるだけ機動的な経営を進めていきたいと考えています。皆さまには、前後2~3年を見通した経営状況をご覧いただければ幸いです。
2.次期の見通し
当社としてはクラブの経営を支える大きな柱となる「入場料収入」「広告料収入」、ホームゲームでのグッズ販売収入やファジフーズ収入などの「その他収入」の各部門において、収入増を目指して引き続き積極的に活動してまいります。
一方、3月11日に発生した東日本大震災による先行きの不透明感は強く、個人消費の低迷による入場者数の減少、企業利益の悪化による広告料収入の減少も予想されますが、収入部門で展開する施策の質を高めて収益基盤を強化するとともに、さらなる経営の効率化に努めてまいります。1人でも多くの方にスタジアムへお越しいただけますよう、クラブ一丸となり努力を続けてまいる所存です。
(単位:百万円)
(注)含まれる項目
・監督、コーチ及び他のチームスタッフ人件費(アカデミー含む)
・選手人件費(報酬の他、支度金、移籍金償却費を含む)