株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブでは、平成25年4月24日に定時株主総会を開催し、第7期(平成24年2月1日から平成25年1月31日まで)の事業報告、決算書類報告を行い、承認されましたので、お知らせするとともに、ファジアーノ岡山の経営状況について、ご報告いたします。
1.経営成績に関する分析
当クラブは、Jリーグ昇格直後に「年間収入10億円」という目標を掲げました。経済環境、移籍金システムの変更等、当初と状況は変化しましたが、無理をせず、しかしできるだけ早くこの目標に到達する決意は変わっておりません。
2012年度に関しましては、営業収入は8億7753万円(昨年対比10%増)となりました。営業費用は、選手強化費の増額等に伴い、8億4748万円(昨年対比4.6%増)となりました。その結果、営業利益として3005万円、当期純利益として2597万円を計上しました。
クラブ決算としては3年ぶりの黒字決算となります。ただ、毎年申し上げていますように、市民クラブ特有の経営の難しさを考えると、単年度の収支に執着するよりも長期的な視点に基づく安定経営に主眼を置きたいと考えています。
2.次期の見通し
当クラブとしては、クラブ経営を支える大きな柱となる「入場料収入」「広告料収入」、ホームゲームでのグッズ販売収入やファジフーズ収入などの「その他収入」の各項目において、収入増を目指し引き続き積極的に活動してまいります。2013年4月より念願の練習拠点を得ることとなりましたが、当初費用・維持費用が想定以上に負担となっており、当初の計画を見直さざるを得なくなっております。スポンサー・パートナー企業数は2011年度末の338社から450社を超えるまでになりました。大きな広がりに感謝すると共に、収入源としては企業に頼る比率が高すぎることのバランスを考慮し、収入確保の観点では入場料収入に力を入れていきたいと考えています。
3. 増資について
昨年、Jリーグ入会以来初となる増資を行い、株主資本は9050万円から13450万円(準備金含む)となりました。日本フットボール時代から予算規模が4倍近くになったため、最低限必要な資本額が増えたと判断し、4400万円の増資を実行しました。今期の黒字を受け、累積債務は4179万円となっております。
ファジアーノ岡山は県民クラブであり、親会社の存在もなければ行政の出資も受けておらず、財務上経営の安定を支えるのは株主資本のみとなります。ただ、潤沢な株主資本はそれに見合う累積赤字を許容するため経営陣の甘えに繋がりやすく、累積赤字の増大は減資の余地を残すこととなり将来の経営陣に負担を強いることとなります。2012年度に予算規模が8億円を超えてきたために増資を実行しましたが、株主資本はできるだけ少なく維持する方針は、今後も継続してまいります。